私はそばが好きだ。特に駅そばを見かけるとついたべてしまう。
新大阪のたぬきそば通称きーそ、茨城の納豆そば、昔スキーに行くのに列車を使っていたころは、出汁の色が濃くなると、ああ信州にやってきたのだなと思ったものだ。
姫路駅の乗り換え口でそばを頼んだ時、中華そばが出てきたのにはびっくりしたが。
まあ学食のそばみたいなものであった。
しかし、10数年前の事、ざるそばを作って食べていた時、妙に胸が悪くなる事が続いた。
とうとう、そばの食べ過ぎでそばアレルギーを発症してしまったか。これでもうそばは食えないのかと愕然としたのだった。
この時のそばは、乾そば。噛んだときに妙に粉っぽい芯が残っているのに気がついた。
今でいうアルデンテ状態。粉っぽさを無くせば良いと思い、少しゆで時間を延ばしたりしてみたが、どんどん、そばとはかけ離れた状態になるばかりだった。
そんなある日、新聞(朝日か毎日)のコラムに「私は、乾そばは水でもどしてゆでている。生蕎麦のような食感になる。」と書かれているのを見つけた。料理記事ではない。聞き書きした執筆者も半信半疑な書きぶりの小さな囲み記事だった。
これぞ天啓である。ヒントが与えられれば、早速やってみなければならない。
結果は上々であった。爾来、この方法で私は乾そばを食べ続けている。
まず、バットに必要量のそばを入れる。
水を加える。ひたひたでもたっぷりでも良い。
ただ、冬場は戻りが悪いので、人肌程度のぬるま湯の方が良いだろう。
大体20分くらいすると、折れずにふにゃっとなる状態になる。
ここで沸騰した湯に、ちぎれないようにそっと投入する。
このまま放っておくと固まってしまうので、箸でゆ~っくりとさばいてやる。
大体5~6分でゆであがるが、そばの種類・浸した状態で変わってくるので、
そばの色、箸触り、食感で判断する。ただ、この後水で締めるので、
少々ゆですぎても大丈夫だ。(あくまでも、少々だ。)
ゆであがったら、水で表面のぬめりを落とす感じでもみ洗いする。
水を替えて、2・3回。
最後に浄水ですすぎ、浄水と氷で締める。
出来上がり。
私は、通常5割そばを使用している。手軽な日常食としては十分であろう。
一度、正月に10割そばで挑戦したが、濃いそば湯にそばの残骸が浮いたものになってしまった。完全な失敗である。8割そばではやった事がないが、今のところやる気はない。それくらいなら正直に生蕎麦にするか、店に行くかだ。
今まで最もうまかった蕎麦は、釣りの帰りにふと立ち寄った峠の鄙びた蕎麦屋の手延べ蕎麦だ。
微妙に太い細いがあり、佐野のラーメンにも似た食感だった。
当時は栃木に住んでいたのだが、今では、その峠が新潟方面だったのか、信州方面だったのかも定かでない。ひょっとすると、何かに化かされたのかも知れぬとも思う幻の蕎麦であった。






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